暮らすだけじゃない家

活用イメージ

この家は、暮らしの場でありながら、何かをつくったり、集まったり、好きなことに向き合ったりする拠点として使えそうな物件です。日常生活をこなすための家というよりも、ここで何をして、どんな時間を過ごすかが自然と主役になっていくような場所です。山形大学の近くにあり、学生が住むことも十分に想像できますが、いわゆる学生向けの住まいとは少し違い、趣味や活動を軸に暮らしを組み立てていくイメージが広がります。

一度リフォームされているため、住みやすい間取りが整えられつつも、使い方を限定しすぎていない空間が点在しています。はっきりとした役割が決まっていない場所があることで、住む人の発想次第で用途が変わり、暮らし方も更新されていきそうです。その余白をどう使うかを考えること自体が、この家の楽しさになっています。

外からの視線が程よく遮られた庭は、街中にありながらも落ち着いた雰囲気があり、作業や思索に没頭できそうな場所です。庭に面した土間のような部屋は、工具や材料を気兼ねなく持ち込めるため、ものづくりや修理、実験的な作業スペースとしても活躍しそうです。また、押入れの跡が残る空間は、少し手を加えるだけで音楽鑑賞スペースやDJブースのような場所にもなり得ます。

再建築不可という条件はありますが、その分、今ある構造や時間の積み重なりを受け入れながら使っていく住まいとも言えます。壁を塗ったり、棚をつくったり、照明を替えたりと、手を入れるほどに住む人の色が重なっていく過程も魅力のひとつです。暮らすことに加えて、活動し、試し、育てていく拠点として、少しずつ自分の居場所になっていく家です。